2013-01-13

癸巳睦月投票日記



お久しぶりです。情けないことに、半年振りのブログです。

もっとも、この半年の間に書いた量は、これまでのブログの総文字数と同じくらいだったかもしれません。
納得のいくものが書けなくて、何度も改稿と破棄を繰り返した挙句、結局すべてお蔵入りにしたのでした…。


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さて、それでは三度目の投票日記です。2013年は癸巳(みずのと・み)であります。

わたしがBURRN!誌の人気投票に初めて票を入れたのが1996年ですから、もう17年も前になります。
回を重ねるにつれて、わたしなりに「投票原則」のようなものができてきたのが、2000年くらいでした。

大雑把にまとめると「バンド/アーティストを部門によって重複させない」というのが原則で、
「一枠につき1バンド/アーティストからひとり」「可能な限り、ライブで観たひとに入れる」
「アートワーク部門は購入したものから選ぶ」「BOREに訃報・解散・脱退等は書かない」
といったものが、わたしが採用するようになったルールです。

そして、この原則が崩れた(崩した)ことそれ自体が、このブログを書かせているわけです。
それは、かつての投票日記(2011年=辛卯・2012年=壬辰)冒頭に書かれている通りです。
今年も「票を固めた」わけですが、これは今後もつづいていくのだろうと確信しています。

では、始めます。もちろん、B!誌が扱う範囲に即して、です。
ただ、「非B!誌系」バンド/アーティストも、少しだけご紹介します。
(なお、「個人的2012年ベスト25」は、3月にやろうと思っています。)



GROUP / HEAD PHONES PRESIDENT


2012年はHEAD PHONES PRESIDENT(以下HPP)にとって転換点となる一年でした。

4人編成となって初のアルバム『Stand In The World』の制作と発表、
それに伴う全国ツアーやイベント出演など、とても充実した活動内容ばかりでなく、
その音楽形態やライブ・パフォーマンスに、これまではなかったものを付加したのです。
しかも、バンドの本質は保ちながら、というもっとも難しい離れ技をやってのけました。

内から外へ、密室から世界へ。

現在も、HPPは「変化」の真っ只中にいます。
いや、新たな光に照らされ、別の面が見えてきたと、
メンバー自身がHPPを再発見・再創造しているのだと、言うべきでしょう。
(その内実については、できるだけ近いうちに何か書くつもりです。)


さて、例年では「他に一票を投じたかったバンド」の名前をいくつかあげているのですが、
今回はとくにありません。(強いてあげるなら、DEAD ENDでしょうか。)
それだけ、HPPの印象がすべてに勝っていたのだと思います。



VOCALIST / Anza (HEAD PHONES PRESIDENT)


HPPのライブでAnzaさんの笑顔を初めて観たのは、たぶん2009年のO-West公演です。
それまでは、MCも含め、平素の彼女をステージに見ることは皆無に等しかったというのに、
今ではむしろ、笑顔を見ないライブというものは考えられなくなりました。

表現領域の拡がったHPPに呼応した「変化」の一端ではありますが、
こうしたライブにおける「変化」がどのように次作に反映されるのか、
気が早いようですが、いまから楽しみでなりません。

また、DRAGON GUARDIANベスト盤へのゲスト参加では、
ミュージカル風の表情豊かな歌唱を聴かせてくれました。

呪詛から祈りへ。もしくは、それらが等価となる地点で歌うこと。
「歌う」という行為はいかなる表現であり、またどうあり得るのか。
Anzaさんの歌を聴きながら、いつもそんなことを考えているのでした。


次点はMorrie (DEAD END, CREATURE CREATURE, Solo)でした。

DEAD ENDの新作発表とツアー、その合間にソロ・ライブとCREATURE CREATURE新作の録音、
CCはアルバムの前にシングル2枚を発表し、そのPVも撮影、またライブも数本こなし、
そしてDEAD ENDの25周年記念ライブ後はCCの新作発表およびツアーという多忙さで、
年末の12/29に至っては、昼に幕張のフェスにDEAD ENDとして出演して、夜に目黒でCCのライブと、
ほとんど正気の沙汰とは思えない働き方をしていたのでした。(しかも、ニューヨーク在住で…。)

そうした活動の活発さだけでなく、ここへきてファルセットの表現を一段高いところに進めたり、
形而上学的な思索を反映した歌詞世界をさらに深化させたりと、
いまだに成長しているのだから恐れ入ります。

それでこそ「アーティスト」なのですが、そうそういるわけではありません。
ヴォーカリストとしてだけではなく、綜合的な芸術家として尊敬する次第です。
(Morrieについてはブログを書いたのですが、破棄しました。また書くつもりです。)


他にも素晴らしいヴォーカリストをライブで観ました。
とくに印象の強かった3人だけ、観た順に挙げます。

凛とした美しい「英国の声」は健在でした。声は出るが腹も出たジョン・ウェットン (Solo, UK, ASIA)、
超絶ダサいライブ・パフォーマンスを補って余りある歌唱力を誇るD.C.クーパー (ROYAL HUNT)、
歌声は変わりなく、歌唱力も衰えなし。やっと観ることができたマイケル・キスク (UNISONIC)の3人です。

非メタル系では、スーザン・テデスキ (TEDESCHI TRUCK BAND)の情感溢れる歌唱に泣かされました。



GUITARIST / Hiro (HEAD PHONES PRESIDENT)


Hiroさんは今年も驚かせてくれました。

HPPの新作におけるソロの増量やリフの充実(それと、変拍子の数々)もさることながら、
ライブのアコースティック・ソロでは、パーカッシヴかつメロディアスなソロを披露してくれました。
(スラッピング調とでも言うか…。聴いたことのない、とてもおもしろいソロでした。)

また、今年は2回のソロ・ライブ(5月18日と11月22日)もあり、
HPPとは違った開放感のあるメロディを聴かせてくれました。

以前より自由度の増したHPPで、これからどんな狂ったギターを聴かせてくれるのか、
一方、ギター・インストものの王道をゆくソロが作品としてどのような実を結ぶのか、楽しみです。


次点はまたしてもYouさん(DEAD END)でした。

と言うか、夏くらいまではYouさんにするつもりでした。
それを覆したのがHiroさんの上記アコースティック・ソロだったのですが、
あのソロの驚きがなかったら、今度こそYouさんにしていたかもしれません。

DEAD ENDで聴くことのできる緻密かつ奇矯なリフとソロ、
幽冥境を彷徨うが如きギターサウンドの美しさ、流麗さ…。
そのオリジナリティにおいて、世界的にも突出した存在と言えるでしょう。

2013年もまた、HPPとDEAD ENDは新作をリリースします。
YouさんがHiroさんを抜くのか、Hiroさんが死守するのか、楽しみです。


他にも3人だけ、その名を挙げておきましょう。
ライブ・パフォーマンスや在り方そのものに厳しい自覚が窺えたグレン・ティプトン (JUDAS PRIEST)、
驚異的な技術以上(以前)に、そのイノセントな存在感に打たれたヌーノ・ベッテンコート (EXTREME)、
観ているだけでこちらにも笑顔がうつってしまう、こどものようなカイ・ハンセン (UNISONIC)の3人です。

ヌーノとカイは中学時代から聴いていたのに、ずっとライブに行きそびれていたため、初めて観ました。
当時から現在に至るまで、その印象が変わってないことにも驚かされ、感無量でした。

非メタル系では、デレク・トラックス (TEDESCHI TRUCKS BAND)の繊細を極めたスライドギターに泣きました。「南部の王者」と呼ぶに相応しい、貴族的な相貌の若き天才です。



BASSIST / Narumi (HEAD PHONES PRESIDENT)


Narumiさんは、ただのベーシストとは一線を画す存在です。

ミュージシャンとしてベースを弾いているだけではなく、
ときとして、その身体を音楽に明け渡しているかのような、
シャーマニスティックとも言えそうなパフォーマンスを繰り広げます。

これは楽器を扱うミュージシャンには極めて稀なことで、
そもそも意識してできることではなく、しかも男性においてはさらに珍しい現象です。
条件として、感受性の強さ・繊細さ、自意識の薄さ、集中力の高さ等が挙げられます。
(音楽家ではなく役者を、とくに舞台俳優を思い浮かべた方が早いかもしれません。)

同時に、ベーシストとしても優秀です。ベースラインにはますます磨きがかかっています。
個人的に、近年のゲディ・リー (RUSH)のプレイとの近さを感じることが多いです。
(たぶん、NarumiさんはRUSHを聴いたことはないだろうと思います。)


ここでは他に2人だけ、その名を挙げるにとどめます。
クリアかつシンプルな音の存在感にハッとさせられたCrazy 'Cool' Joe (DEAD END)、
超個性的な音作りとベースラインが最高にかっこいいGeorgeさん (JURASSIC JADE)の2人です。
たまたま日本人アーティストだけになりましたが、海外勢がダメだったわけではありません。あしからず。



DRUMMER / Batch (HEAD PHONES PRESIDENT)


いつも言っているのですけど、Batchさんの持ち味は豪快かつ繊細なドラミングです。

ライブでないと(会場によってはライブでさえ)なかなか伝わりにくいことのひとつに、
ドラムの音量という「問題」があります。要するに、音量は機材で増幅できるわけです。

それの何が「問題」かと言うと、機材に頼るばかりのドラマーは「グルーヴが薄い」のです。
音量だけ立派でも、結局は生で大きい音を出しているドラマーには敵わないんですね。

その点、もっとも太いスティックでドラムをぶったたくBatchさんにその心配は無用です。
パワフルなドラミングがうむグルーヴと、HPPの世界を豊かにする細かいパッセージは、
ライブを観たことのあるひとなら、その説得力の大きさに首肯してくれるでしょう。

アンコールでは短いドラムソロをするのが通例となってきましたが、
パワー路線ではないドラムソロもまた、観てみたいものです。


次点はテリー・ボジオ (UK)でした。
わたしはUKのライブ終了後、こうツイートしています。

テリー・ボジオは初めて観た。正確無比な演奏を機械の如く無慈悲に繰り出してくるのかと思いきや、上体を揺らし顔を歪め、表現豊かな演奏を繰り広げる素晴らしいロック・ドラマーだった。様々なタムやシンバルを目いっぱい使った繊細かつパワフルなソロには感銘を受けた。あれこそ「音楽家」である。
きょう、UKのライブを観ていて痛感したのは、技術とは表現のためにあるのであって、高を括った水増しパートだったり自己顕示的なものであったりしてはならないという、「言わずもがな」なことだった。ソロは創意工夫に満ちたもので、また純粋に「音楽」として優れていた。

そうゆうことです。ボジオに敬意を表して、他のドラマーの名を挙げるのは控えることにします。



KEYBOARDS PLAYER / none

今年は「該当者なし」にしました。何人も観てはいるのですけど…。

ところで、実はギター、ベース、ドラム、キーボードともに、あるバンドのメンバーを書くつもりでした。
SPECIAL PROVIDENCEというハンガリーのインスト・バンドで、まだ日本デビューしていないばかりか、
肝心の作品(すでに3rdまであり)も、ほとんど(もしくはまったく)国内流通していません。

これがアマゾンなどで買えるようだったら紹介がてら書いたのですけど、
さすがに手に入らないバンドを推すのも忍び難く、パスした次第です。

12月中旬に彼らのライブを観て、その力量に度肝を抜かれました。
とくに、ベースとドラムは化け物クラスの逸材です。早く世界デビューしてほしいと切に願います。
とりあえずは、日本のプログレ・マニアが喰いつくことで日本盤が出ればいいなと思ってます。

バンド情報はHPよりもFacebookの方が充実してますので、そちらをご覧ください。



LIVE PERFORMANCE IN JAPAN / HEAD PHONES PRESIDENT


B!誌のこの枠は「来日ライブ」となっているので、毎年、海外のバンドを選んでいました。
でも、本来はその年に観たベストのライブを挙げるべきであって、ここ数年は疑問に感じていました。

それでも、そんな疑問を吹き飛ばすようなライブを毎年どこかで観ていたからこそ、
「海外バンドのなかでは」という留保つきで「ベスト・ライブ」を選ぶことができていたのですが、
2012年はそこまで感銘を受けたライブはありませんでした。

というわけで、「死に票」でもいいからとHEAD PHONES PRESIDENTに入れました。
写真は6/23の仙台公演のものですが、ちょうど全員が収まっている写真だったので選びました。

わたしは去年、インストア・ライブを含めて17本、HPPのライブを観ました。
どれがベストかと問われると、返答に窮します。どれも思い出深いライブです。
よって、公演日は特定しないことにしました。余計に「死に票」化するわけですが、まあいいかなと。
(多少、抗議のニュアンスがないこともないです。できれば見直してほしい枠です。)



BEST ALBUM / Stand In The World (HEAD PHONES PRESIDENT)



内容については前回(と言っても半年前)書いた通り。
歌詞のことしか書けてなくて、われながら呆れてしまいます…。

HPPにとって記念碑的な作品となったばかりでなく、
「広義のメタル」の新たな可能性を示唆する作品でもあります。
(その中身についても、次回のHPPブログで書きたいところです。)


2012年はメタルに限らず、ロック・シーンは全体的に豊作でした。
B!誌の人気投票発表に合わせて、3月に「個人的ベスト25」をやるつもりです。
ちなみに、内訳は「ベスト10+次点12+その他3」で計25です。半分くらいはすでに決まってます。



BEST TUNE / "Stand In The World" (HEAD PHONES PRESIDENT)




HPPの"Rainy Stars"にしようかと迷ったのですけど、
この枠は「ベストPV賞」くらいに思うことにして、タイトル曲に。
このPVを初めて見たときの感動は、ここで書いています。



BEST SONGWRITER / Corey Taylor (STONE SOUR)



アルバム収録曲の作詞・作曲に留まらず、
作品のコンセプト設計・ストーリー執筆までこなした、
その綜合的な創作能力に敬意を表して、コリーに一票です。

ストーリーは和訳だけでなく原文も熟読しましたが、
水準の高い書き手であると思いました。後篇も楽しみです。



BRIGHTEST HOPE / AWAKED



純然たる新人を最後に選んだのは、いったい何年前のことでしょう。

毎年、ここでは「ようやく日本デビューしたバンド」か「キャリアのある人たちの集合体」の、
いずれかを選ぶに終始しているように思います。今年は後者でした。

スラッシュ・メタルにルーツを持つであろう緻密に構築されたリフと、
ロックンロールやハードコアに由来する荒々しい疾走感が交錯するヘヴィ・ロックを、
強力なアンサンブルで叩きつけてくるAWAKEDは、6月にデビュー作を発表しました。

元SUNS OWLのヴォーカル、MzmことMazzyの歌唱だけでなく、
全パートが有機的な連関をもって結びついたライブは強烈無比で、
破壊衝動だけに終始しない深みのある楽曲共々、とても衝撃的でした。



BEST ALBUM COVER / L'Enfant Sauvage (GOJIRA)


野性と知性をシンボリックに表現した、素晴らしいアートワークだと思います。
人型に樹木が重ねられ(それも、神経系と重なるように)、背景には摩天楼。
内容もそれに伴った、野性的な激しさと知的な冷たさが同居する不思議な作品でした。


最後までHPPの『Stand In The World』にしようかどうか迷いましたが、応援の意味を込めてGOJIRAに。

他には、PARADISE LOST『Tragic Idol』IHSAHN『Eremita』
STORM CORROSION『Storm Corrosion』などが気に入りました。

好みではDOWN『Down IV: The Purple EP』でした。が、内容がパッとしなかったので選ばず。
あと、FOCUS『X』もロジャー・ディーン作のアートワークで素晴らしかったのだけど、未聴なので…。



BEST DVD / Kaosmoscape (DEAD END)



わたしは本作に収録されている、9月16日の25周年記念ライブに行きました。
3時間に及ぶライブは実に素晴らしいもので、ひたすら感嘆していました。
(そのライブについて書いたものの、納得いかない出来で削除してしまいました。)

セットリストやライブ・パフォーマンスもさることながら、
随所にインサートされるイメージ映像も興味深く見ることができます。

日本のバンド(主にV系)はイメージ戦略に長けていますが、
映像作品におけるイメージの強化に着手し成功させ、方法にまで高めたのが、
そもそもDEAD ENDなのでした。(その『Psychoscape』の発表は1988年)

流石は本家本元、過剰な演出も無駄な自意識もなく、
静謐、透明にして不穏な世界を、最小の映像表現で定着させています。



SHINING STAR / Anza (HEAD PHONES PRESIDENT)



She's THE BEST.
There's nothing left to say.



PLEASURE / LED ZEPPELIN、『Celebration Day』を発表



2012年、最大の「うれしい驚き」はこれでした。本当に驚きました。
予想できたはずなのに予想だにしていなかったことに気づいて、また驚いたほどです。

わたしは作品のリリース前の映画館における本作の上映に行き、いたく感動しました。
(それでブログを書いたのですが、残念ながら出来が悪く、消してしまいました。)

DVD収録のライブ映像を見ればよくわかるのですが、
LED ZEPPELINというバンドは基本的に派手なことはしません。
常に音楽に集中していて、そのためバンドは広いステージにも関わらず、
ドラムの前に集まるようにしてアイ・コンタクトをとりながら演奏します。

ただ演奏をする。それだけで、どうしてこれほど巨大なスケール感を出すことができるのか。
これはもう、バンドという「魔法」としか言いようがありません。「奇跡」と言ってもいいでしょう。

アンコールの最後の最後、"Rock And Roll"でジェイソンのドラムソロを笑顔で見守る、
ロバート、ジミー、ジョーンジーのなんと幸せそうなことか…。



BORE / QUEENSRŸCHE分裂、もしくはジェフ・テイトの言い分

わたしは初めて彼らの音楽に触れた90年代中盤からずっと、QUEENSRŸCHEのファンでした。
クリス・デガーモ脱退後の、歌メロが崩壊した時期の作品でさえ擁護していたほどです。

ジェフ・テイトの脱退もしくは解雇から、トッド・ラ・トーレの正式加入へ。
ジェフ・テイトと残った4人(と言うかオリジナル・メンバーの3人)による暴露合戦。

言いたいことは山のようにあります。どちらかと言うと、否はジェフ側にあります。
いや、これは全面的にジェフが悪い。失望どころか軽蔑さえするようになりました。

B!誌のインタビューや海外の記事を読んでも自己正当化に終始するだけで、
うまいこと主張してはいるものの、よくよく考えてみればその内容は穴だらけです。

クリスが脱退したのも、また復帰できなかったのも、ジェフに問題があったのではないか。
そう疑い出したら、これまで怪しいところのあった過去のインタビューに違う光が当たり、
その結果、気がついたら、わたしはジェフが嫌いになっていました。

大好きなミュージシャンを嫌いになったのは、これが初めてです。

ヴォーカリストとして、作詞家としての彼はいまだに尊敬しています。
彼が歌う作品も、変わることなく愛聴していますし、これからも聴きます。

でも、もう「好き」と言うことはできない。それがとても辛いです。


多くのメタル・ファンにとって、QUEENSRŸCHEは「ずっと前から興味のなくなったバンド」でしょう。
また、トッドが加入して初期メタル・サウンドに戻ろうとしている現バンドを支持する(できる)でしょう。

でも、わたしはそうではなかった。彼らにメタルだけを求めたことは一瞬たりともありません。
返す返すも残念です。そして、情けない。
ジェフはさっさと引退して、ワイン業でもしてればいいと本気で思ってます。



総評

書いていて気づいたことは、今回はそもそも「票を入れたい」ひとがあまりいない、ということでした。
これまでは、HEAD PHONES PRESIDENT以外に言及したいバンドやミュージシャンのために書いていたわけです。なのに、あまり強く印象に残ったわけではなく、左程思いつきませんでした。2012年は2011年よりもたくさんライブを観ているのですが。

それだけ、わたしにとっては「HPPの一年」だったと言えるのでしょう。もしくは、HR/HMへの興味が薄れているのかもしれません。今年は例年に増して豊作だったことが、却って飽き足らなさを感じさせてしまったのかも。贅沢な話ですが。

いまは「よく見知った風景」よりも「見なれぬ風景」を見たい時期なのだろうなと、思っています。